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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

話題

骨髄移植の適応

著者: 岡本真一郎1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部血液内科

ページ範囲:P.317 - P.317

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 リンパ球を含むすべての血液細胞は多能性造血幹細胞が増殖・分化することによって造り出され,その数が一定に維持されている.現時点では,われわれはこの多能性造血幹細胞を同定することはできない.したがって,この多能性造血幹細胞を補給したい場合には,この細胞が多く含まれる骨髄細胞を採取し,それをそのまま移植することが行われる.これが骨髄移植である.
 多能性造血幹細胞の移植(=骨髄移植)が必要な病態は大きく3つに分けることができる.1つは幹細胞に起こった質的・量的異常を是正する場合である.例えば,幹細胞よりリンパ球への分化に障害が起こる結果,感染に著しく弱くなる免疫不全症候群や,幹細胞の絶対数の減少から致命的な汎血球減少が起こる再生不良性貧血などが例に挙げられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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