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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

増刊号 免疫検査実践マニュアル 各論 XI.細胞免疫

2.NK細胞検査とADCC

著者: 押味和夫1

所属機関: 1東京女子医科大学血液内科

ページ範囲:P.355 - P.357

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■キラー細胞の種類と標的細胞傷害の機序
 腫瘍細胞やウイルス感染細胞を傷害・排除する防御機構の1つにキラー細胞がある.キラー細胞は表,図1に示す3種類の機序により標的細胞を傷害する.①MHC(主要組織適合遺伝子複合体)拘束性キラー活性,②MHC非拘束性キラー活性,③ADCC(antibody-dependent cellular cytotoxicity;抗体依存性細胞作動性細胞傷害)の3種類である.各々のキラー活性は表に示すエフェクター細胞により担われている.MHC拘束性キラー活性では,図1に示すように,抗原により感作・誘導されたキラーT細胞が,T細胞抗原レセプター(TCR)を介して,標的細胞の抗原とMHCの複合体を認識する.MHC非拘束性キラー活性では,キラーT細胞による抗原認識とは異なり,MHCの関与を必要としないで標的細胞を認識する.代表的なエフェクターはNK(natural killer)細胞である.NK細胞は,T細胞と異なり,抗原による感作を必要としないで,自然にある種の標的細胞を殺す能力を持った,T細胞でもB細胞でもないリンパ球である.NK細胞ではおそらくいくつかの接着分子がレセプターとして働いているものと考えられている.ADCCでは,標的細胞表面の抗原に抗体が結合し,その抗体のFc部分にFcレセプターを有する細胞が結合することで標的細胞を傷害する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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