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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻5号

1994年04月発行

文献概要

話題

トランスジェニックマウス

著者: 宮崎純一1

所属機関: 1東京大学医学部疾患遺伝子制御(サンド)講座

ページ範囲:P.389 - P.389

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 マウスの初期胚に遺伝子を導入し,染色体に組み込ませることにより,その遺伝子を個体の生殖細胞を含む全細胞に伝えたマウスが得られる.これをトランスジェニックマウスと呼ぶ.1980年にJon Gordonにより初めて報告されて以来,さまざまな遺伝子を導入したトランスジェニックマウスが報告されてきた.この手法により,遺伝子の働きを個体レベルで解析できることから,免疫学,癌研究,発生学など,医学・生物学の分野で大きな成果を上げてきた.
 初期胚とは受精卵が子宮に着床するまでの時期のことで,遺伝子の導入には主としてマイクロインジェクション法が用いられる.過剰排卵させて得られた受精卵の前核に,ガラスの細いキャピラリーで遺伝子を,直線化したDNA断片(長さ数kb〜50kb)として注入する.DNAは多コピーが結合した形で染色体の1か所に組み込まれることが多い.受精卵は偽妊娠させた雌マウスの卵管に戻す.生まれるマウスの10〜20%に導入したDNAが組み込まれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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