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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻6号

1994年05月発行

検査法の基礎

感染性腸炎の動向

著者: 相楽裕子1

所属機関: 1横浜市立市民病院感染症部

ページ範囲:P.393 - P.398

文献概要

サマリー
 第二次大戦後の混乱期が終わるまで,感染性腸炎といえば細菌性赤痢などの消化器系伝染病に代表されていた.衛生環境が整備された現在,わが国ではこれらの強毒菌感染症は減少し,その存在さえ医療従事者を含めて人々の脳裏から消えてしまった感があり,日常の衛生習慣として,あるいは院内感染防止の基本としての手洗いさえなおざりにされがちである.一方,伝染病は現在でも発展途上国には蔓延しており,海外旅行や輸入食品を通してわが国を脅かしている.したがって,これらは一部の人々の間でみられる輸入感染症とばかり言えない状況になっている.
 腸管感染症の分野ではこのほか,伝染病に代わるさまざまな病原体による感染性腸炎,食中毒あるいは集団発生,抗菌薬使用に伴う下痢症,および易感染性宿主の難治性下痢症などがトピックスである1)
 腸管感染症であっても菌血症が主病変であるチフス性疾患(腸チフス,パラチフス)は本稿のタイトルから外れることになるが,関連疾患として述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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