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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻6号

1994年05月発行

文献概要

今月の表紙

滑膜肉腫の細胞診

著者: 古田則行1 都竹正文1 坂本穆彦2

所属機関: 1癌研究会附属病院細胞診断部 2東京大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.436 - P.436

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 滑膜肉腫は主に関節近傍に発生し,関節滑膜組織に模倣した組織所見を呈する悪性腫瘍である.腫瘍は四肢の大関節付近に好発することが多く,関節腔内に発生することはまれである.したがって,滑液嚢や腱鞘を侵すことが多い.臨床的には他の肉腫と比較すると腫瘍の存在に気づいてから初回治療までの期間が長いことが特徴である.本腫瘍は,比較的容易に穿刺細胞診が行えることが多いため,軟部腫瘍の術前診断の1つとして施行される機会が増えてきた.
 病理組織学的には滑膜の形態を模倣した二相性(biphasic pattern)をとるのが特徴である.1つは上皮様細胞(滑膜細胞類似の上皮様,偽腺管構造を示す細胞)と,もう1つは線維肉腫様の紡錘形細胞の2種類の混在である.一方,二相性発育のはっきりしない単相型(monophasic type)がある.腫瘍細胞は紡錘形の単一細胞で,しばしば血管外皮腫様構造(hemangiopericytoma-like pattern)を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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