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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻6号

1994年05月発行

文献概要

検査ファイル

半分子型免疫グロブリン

著者: 大竹皓子1

所属機関: 1慶應義塾大学病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.454 - P.454

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 免疫グロブリン(Ig)の基本構造は,相同の2本のH鎖と相同のL鎖がそれぞれS-S結合によって結ばれた4本鎖の構造単位をとっている.H鎖には5種類のクラスがあり,それらはIgのクラス特異性を示す.L鎖は各クラスに共通に含まれ,その抗原性からκ鎖とλ鎖に分けられる.
 IgはH鎖,L鎖ともにアミノ酸約110個から成るドメイン構造をとっている.N末端側のFabは抗原結合部位で,C末端側のFcはマクロファージや単球などのFcレセプターへの結合部位である.中間のヒンジ(蝶番)部にはH鎖間のS-S結合があり,Fabが抗原と結合するうえで重要な構造部位である.正常なIg分子は,このような基本構造を持つが,多発性骨髄腫やリンパ増殖性の疾患に出現するM蛋白に,まれに正常Igとは異なった構造のものが血中や尿中に出現することが知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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