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文献概要
明日の検査技師に望む
仕事が楽しいですか?
著者: 福島範子12
所属機関: 1同愛記念病院研究検査科 2日本細胞病理ラボラトリー
ページ範囲:P.480 - P.480
文献購入ページに移動私はあと半年ほどで70歳の大台に乗ります.40数年を病院病理医として過ごしてきて,すでに定年も過ぎましたが,いまだに楽しく顕微鏡を視る仕事をしています.この間,職場は3か所経験しました.最初の職場はもちろん20歳代で,私も若く,右も左もわからなく,夢中でたちまち5〜6年が過ぎてしまいましたが,顧みても最初から現在に至るまで,仕事が楽しくなかったことはありません.ご他聞に漏れず,第二の職場で責任者となってからは,かなり長い間,独り病理医のときが続きました.したがって,めちゃくちゃに忙しかったのですが,それでも別に寂しいとか,苦しいとか思わないできました.今さらのようにどうしてかなあ?と考えますが,その大きな理由の1つは,働く仲間の技師さんに恵まれたことです.私も今よりはずっとずっと若かったけれども,技師さんたちも全員が独身者というように若く,ちょうど,今の貴方(女)たちのようでした.そうして病院も創設(実は再開)されて数年というように若かったのです.検査室もまだ混沌として,態を成していませんでした.毎日毎日が問題の山積です.それこそ,闇夜の中を手探りで進むようなものでした.それだけに皆で頭をひねり,解決しなければならない事柄が,検査についても,科の運営についても山のようにありました.
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