文献詳細
文献概要
生体のメカニズム 遺伝子の異常・6
細胞内シグナル伝達と分化,増殖
著者: 市野素英1
所属機関: 1東京大学医科学研究所制癌研究部
ページ範囲:P.527 - P.530
文献購入ページに移動 細胞外のシグナルによって細胞の機能が調節されている現象は内分泌器官などの一部の細胞や組織に限られていると1970年代までは考えられていた.1980年代に入り,癌原遺伝子が発見されてその遺伝子産物の生理機能がしだいに明らかになるにつれ,増殖因子や分化因子などのシグナルによって増殖分化が調節されていることが普遍的な現象であると認識されてきた.そしてシグナル伝達が細胞の増殖分化,さらには癌化の重要なメカニズムとして理解されるようになってきた.
シグナル伝達それ自体広範なテーマで,増殖分化に至る道筋が完全に解明されたものはこれまでにないといってよい.しかし,あえてその伝達経路を癌遺伝子をもとに分類するならば以下のようになる.
シグナル伝達それ自体広範なテーマで,増殖分化に至る道筋が完全に解明されたものはこれまでにないといってよい.しかし,あえてその伝達経路を癌遺伝子をもとに分類するならば以下のようになる.
掲載誌情報