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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻7号

1994年06月発行

文献概要

トピックス

HPLCを用いた尿蛋白定量法

著者: 大澤進1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.539 - P.540

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 尿蛋白定量法は臨床検査定量法の中でも,最も古くから利用され(1827年,Richard Brightによる尿をスプーンに入れ,加熱し蛋白凝固を調べる方法),現在では表に示した各種方法がある.中でも,スルホサリチル酸を用いた,Kingsbury-Clark法(K-C法)は鋭敏な定量法として長い間利用されてきたが,蛋白種による反応性の差,温度の影響,標準物質の選択など種々の問題を抱えている.このため,現在では色素法による方法が測定法全体の70%以上を占めており,その主な方法はクマシブリリアントブルーG-250法(CBB法:14%)とピロガロールレッド・モリブデン錯体法(P-R法:58%)である.これら色素法による測定値の施設間差を表す精度管理調査の結果は,極端値を除外してもCV10〜20%と大きい.また従来のK-C法では,CV60%と非常に大きいのが現状1)である.
 これらの測定値の施設間差の是正には標準物質と標準法の設定によって,可能であることがすでに知られている.アメリカ臨床化学会(AACC)では尿蛋白測定標準法として,分子ふるいミニカラムを用いて蛋白を分離し,その蛋白に結合した銅イオンをキレート試薬で定量する方法(AACC法)がある.この方法は今井によって,追試・評価され,その再現性や妨害物質の影響が指摘2)されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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