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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻8号

1994年07月発行

文献概要

生体のメカニズム 遺伝子の異常・7

癌抑制遺伝子[1]

著者: 大村宏1 押村光雄1

所属機関: 1鳥取大学医学部生命科学科細胞工学

ページ範囲:P.587 - P.591

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はじめに
 1969年,H.Harrisは,腫瘍細胞と正常細胞との融合によって作製した雑種細胞は種々の腫瘍形質を失い,その雑種細胞が腫瘍形質を再獲得する際に,特定の染色体の欠失が認められることを示した1).この実験結果は,その遺伝子が正常に発現していれば癌の発生はなく,消失あるいは不活性化することが癌の発生に必須である遺伝子(癌抑制遺伝子)が正常細胞に存在することを示唆する最初のものであった.その後,癌抑制遺伝子の存在を示唆する数々の事実が示されるとともに,現在ではその単離も行われてきている.
 本稿では癌抑制遺伝子の存在を示唆する事実,検索のための手法などについて概説し,次稿で個々の癌抑制遺伝子の構造や機能などについて述べることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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