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唾液腺の粘表皮癌細胞
著者: 都竹正文1 古田則行1 坂本穆彦2
所属機関: 1癌研究会附属病院細胞診断部 2東京大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.671 - P.671
文献購入ページに移動全唾液腺腫瘍の70〜80%は良性の多形腺腫である.悪性腫瘍は約20%で,発生部位は耳下腺が最も多い.唾液腺悪性腫瘍は頭頸部癌取扱い規約の組織分類によると,腺様嚢胞癌(adenoidcystic carcinoma),粘表皮癌(mucoepidermoid carcinoma),腺癌(adenocarcinoma),扁平上皮癌(squamous cell carcinoma),腺扁平上皮癌(adenosqamous carcinoma),未分化癌(undifferentiated carcinoma),腺房細胞癌(acinic cell carcinoma),多形腺腫内癌(悪性混合腫瘍)〔carcinoma in pleomorphic adenoma(malignant mixed tumor)〕に分類されている.そのうち,粘表皮癌,腺房細胞癌は,細胞異型も癌としての生物学的性状も軽度なもの(局所浸潤性はみられるが,転移が少ない)が含まれることから,低悪性群(中間群)として取り扱われ,名称もそれぞれ粘表皮腫瘍,腺房細胞腫瘍として用いることがある.
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