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文献詳細

雑誌文献

検査と技術22巻9号

1994年08月発行

文献概要

検査ファイル

ベロ毒素(VT1,VT2)検出キット

著者: 甲斐明美1

所属機関: 1東京都立衛生研究所微生物部

ページ範囲:P.737 - P.737

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はじめに
 下痢原性大腸菌の1つである腸管出血性大腸菌(EHEC)あるいはVero毒素産生性大腸菌(VTEC)感染症の検査室診断の基本は,分離した大腸菌のベロ毒素(verocytotoxin;VT)産生性を確認することにある.このVT検出法としては,菌の産生する毒素そのものを検出する方法と,VT産生遺伝子の存在を確認する方法の2者がある.最近,前者の毒素検出法としてラテックス凝集法による検出キット(デンカ生研)が市販されるに至ったので,その概略を紹介したい.
 EHECあるいはVTECの産生するVTには,志賀赤痢菌の産生する志賀毒素と同一の毒素であるVT1と,それとは物理化学的および免疫学的性状を互いに異にするVT2の2種がある.このほか,最近ではVT2に数種のvariantのあることも知られるようになったが,この種のvariant毒素産生菌がヒトから検出されることは極めてまれであり,通常の検査では除外して差し支えない.VTECには,VT1あるいはVT2の単独産生菌と,VT1およびVT2の両毒素産生菌がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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