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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻1号

1995年01月発行

文献概要

生体のメカニズム 体液調節機構・1

内部環境の恒常性の維持機構

著者: 黒川清1

所属機関: 1東京大学医学部第一内科

ページ範囲:P.67 - P.69

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身体の水分:細胞内液と細胞外液
 われわれのからだは細胞からなっていて,その細胞がそれぞれに至適に機能していることによって生きている.われわれのからだの60%は水で,その2/3は細胞の中にあり“細胞内液”といわれ,1/3は細胞の外にあって細胞を囲んでいる“細胞外液”といわれる(表,図1).ふだん,目にすることのある血液は,赤血球などの細胞内液を含んだ細胞と“血漿”といわれる細胞外液からなっている.細胞内液は主にカリウムが主な陽イオン,リンやアミノ酸などが主な陰イオンで構成されている.細胞外液は主にナトリウム(Na)とクロール(Cl)イオンで構成されていて,その濃度がだいたい0.9%なので“0.9%食塩水”を“生理食塩水”といっている.
 このように細胞の外と内ではそのイオン構成が著しく違っているが,それは細胞膜に,ATPというエネルギーを使ってナトリウムとカリウムを交換するポンプがあるからである.おおまかにいえば,カリウムは細胞内にのみあり,食塩(NaCl,ナトリウムとクロール)は細胞外液のみにあり,しかも身体の中にある食塩の量が細胞外液の量を決めている(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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