文献詳細
文献概要
検査ファイル
肺サーファクタント
著者: 小林龍一郎1
所属機関: 1済生会中央病院内科
ページ範囲:P.74 - P.74
文献購入ページに移動肺サーファクタントはリン脂質と蛋白の複合体を主体とした液体である.脂質のほとんどがリン脂質で,ほかに中性脂肪,コレステロールなどが含まれている.リン脂質のうちサーファクタントとして機能するのは主としてdipalmitoylphosphatidylcholine(DPPC)である(表).蛋白成分は約4%である.蛋白はリン脂質と結合して重要な働きをするので,サーファクタントアポ蛋白(SP)と呼ばれている.アポ蛋白には親水性のSP-AとSP-D,疎水性のSP-BとSP-Cの4種類がある.SP-CとSP-Dがサーファクタントの吸着に関係していて肺表面張力を低下させる機能にかかわっているとされている.SP-AはⅡ型細胞からのサーファクタント分泌の抑制と取り込みの促進(サーファクタントのリサイクル),肺胞マクロファージの貪食促進作用などがある.SP-Dの生体防御機能に関与するとされているがまだ十分理解されていない.
掲載誌情報