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コラーゲンは細胞外基質の主成分であり,多くの組織,器官に存在する.細胞より新生されたコラーゲンは細胞外基質に取り込まれた後,post-translational modificationを受け,コラーゲン線維間に架橋が形成される.最初に起こる反応はリジルオキシダーゼによりリジンまたはハイドロキシリジンが脱アミノ化される.これらが隣接するリジンまたはハイドロキシリジンと反応することにより,Schiff baseといわれる架橋が形成されるが,この種の架橋は不安定であり,長く生体内に存在しない.Schiff baseはさらに非酵素的ないまだ解明されていない反応を経て安定な成熟架橋に変わっていくと考えられる.1977年にFujimotoらにより発見されたピリジノリン(Pyr),1983年にOgawaらにより発見されたピリジノリンのanalogueであるデオキシピリジノリン(Dpyr)はこれら成熟架橋の1つであり,コラーゲンの構造維持に不可欠であり,骨に多く存在する(図1).骨吸収が生じ骨基質が分解されるとコラーゲンも分解され,Pyr,Dpyrが放出される.よって,尿中Pyr,Dpyrを測定することにより,骨吸収の程度を知ることができ,尿中Pyr,Dpyrは現在最も優れた骨吸収マーカーの1つとされている1).
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