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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻10号

1995年09月発行

文献概要

生体のメカニズム 体液調節機構・9

酸塩基代謝調節の異常

著者: 宮嶋芳弘1 高市憲明2

所属機関: 1東京大学医学部第4内科 2公立昭和病院腎臓内科

ページ範囲:P.802 - P.804

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総論
 体液のpH(=-log[H])は正常では7.40([H]=40nM)前後に保たれており,これを酸性に傾けようとする病態がアシドーシス,アルカリ性に傾けようとする病態がアルカローシスである.
 pHはHenderson-Hasselbalchの式より,
 pH=6.1+log[HCO3]/0.03×pCO2
と表される.ここで炭素水素イオン(HCO3-),二酸化炭素(CO2)は体内での最も主要な緩衝系であり,このうちHCO3-は腎臓で,CO2は肺で調節されている.酸塩基平衡異常のうち,HCO3-を変化させる病態が代謝性変化,CO2を変化させる病態が呼吸性変化である.pHが実際に7.40よりも低くなった状態をアシデミア,高くなった状態をアルカレミアと呼ぶ.酸塩基平衡異常の複数の病態が合併しているときは(ただし,呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシスが合併することはあり得ない),pHはそれぞれの病態の程度によりアシデミアからアルカレミアまでさまざまな値を取り得る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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