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文献概要
生体のメカニズム 体液調節機構・10
カルシウム代謝調節機構
著者: 花井順一1
所属機関: 1東京大学医学部第一内科
ページ範囲:P.909 - P.913
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生体のカルシウム(Ca)代謝は,①腸管からのCa吸収,②骨組織と細胞外液間のCa移動,③腎尿細管におけるCa再吸収の3者間の動的バランスによって厳密に調節されている.Ca輸送を担うこれら3つの臓器は血清Ca濃度を生理範囲に維持し,さらに個体全体としてのCaバランスを調節している(図1).これらの調節には,副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH),活性型ビタミンDである1α,25(OH)2D3(1,25D)および甲状腺C細胞より分泌されるカルシトニンからなるCa調節系が携わっている.
血清Ca濃度は約10mg/dlである.その約45%はアルブミンを主とした蛋白質と結合しており,約5%はリン酸,クエン酸などと塩を形成しているので,生理的に重要な遊離Caイオン(Ca2+)として存在しているのは残りの約50%である.血清中のCa2+は,骨代謝平衡の維持,神経・筋の興奮とその伝達,心筋収縮,免疫細胞の機能,血液凝固,ホルモン分泌などの細胞機能の調節に極めて重要な働きをしている.Ca調節系が担う血清Ca濃度の維持とは,実はこのCa2+の血清濃度をターゲットとしており,これを5mg/dl(約1mmol/l)付近の極めて狭い範囲に厳密に維持する.この恒常性維持に直接関与しているのは,腎臓と骨である.
生体のカルシウム(Ca)代謝は,①腸管からのCa吸収,②骨組織と細胞外液間のCa移動,③腎尿細管におけるCa再吸収の3者間の動的バランスによって厳密に調節されている.Ca輸送を担うこれら3つの臓器は血清Ca濃度を生理範囲に維持し,さらに個体全体としてのCaバランスを調節している(図1).これらの調節には,副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone;PTH),活性型ビタミンDである1α,25(OH)2D3(1,25D)および甲状腺C細胞より分泌されるカルシトニンからなるCa調節系が携わっている.
血清Ca濃度は約10mg/dlである.その約45%はアルブミンを主とした蛋白質と結合しており,約5%はリン酸,クエン酸などと塩を形成しているので,生理的に重要な遊離Caイオン(Ca2+)として存在しているのは残りの約50%である.血清中のCa2+は,骨代謝平衡の維持,神経・筋の興奮とその伝達,心筋収縮,免疫細胞の機能,血液凝固,ホルモン分泌などの細胞機能の調節に極めて重要な働きをしている.Ca調節系が担う血清Ca濃度の維持とは,実はこのCa2+の血清濃度をターゲットとしており,これを5mg/dl(約1mmol/l)付近の極めて狭い範囲に厳密に維持する.この恒常性維持に直接関与しているのは,腎臓と骨である.
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