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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻12号

1995年11月発行

文献概要

生体のメカニズム 体液調節機構・11

カルシウム代謝調節の異常

著者: 塚本雄介1

所属機関: 1北里大学医学部内科学

ページ範囲:P.989 - P.992

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カルシウム代謝調節異常の原理
 血清カルシウム(Ca)値の正常値は多少施設間で差があるにせよほぼ8.2〜10.2mg/dl(4.1〜10.1mEq/l)である.これは総Ca濃度を表すのでmg/dl表示のほうが適切である.血中に存在するCaの約50%はアルブミンに結合しており,残りが遊離Caイオンの形で存在する.蛋白結合体のCa濃度はあくまでアルブミンの血中濃度によって濃度が決定される.したがって,低アルブミン血症があると総血清Ca値は低くなるが実際の遊離Caイオン濃度(以後Ca2+で表す)は正常である.この見かけの低Ca血症は治療を必要としない.なぜならば生体活動を調節しているのはあくまでも遊離C2+濃度のみであるからである.したがって低アルブミン血症が存在する場合はC2+濃度を治療に当たって常に測定すべきだが,できない場合は血清アルブミン値で補正した補正Ca値を使用する.
 補正Ca値=(4-血清アルブミン値)+血清Ca値この補正Ca値が8.0mg/dl以下のものを低Ca血症,10.5mg/dl以上を高Ca血症と呼ぶ.また血液pHにCa2+濃度は影響を受ける.すなわちpHとCa2+は反比例する.このため血液pHが上昇するアルカローシスの病態では低Ca血症の症状が発現しやすくなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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