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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻12号

1995年11月発行

検査ファイル

クロイツフェルト・ヤコブ病

著者: 今福一郎1 金澤一郎1

所属機関: 1東京大学医学部神経内科

ページ範囲:P.1001 - P.1001

文献概要

はじめに
 クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakobdisease)は,急速に進行する痴呆,ミオクローヌスを主症状とし,発症すると多くの場合,1年以内に死亡する予後不良の病気である.病理学的には海綿状脳症を特徴とする.類似の病理所見を呈するkuruが,死人の脳を食う習慣のあるニューギニア原住民の間で蔓延した病気であり,この病気の脳をチンパンジーに接種すると数年で発症した.こうしたことからslowvirus infectionという言葉が使われていたが,Prusinerは,ヤギやヒツジで海綿状脳症を呈するスクレイピーに感染したハムスターの脳から,最も感染性の高い分画を取り出し,核酸を持たない蛋白質からなる粒子としてプリオンと命名した.プリオン蛋白は,宿主固有の遺伝子によって作られ,正常でもほとんどすべての細胞に認められる膜貫通性蛋白であることがわかり,クロイツフェルト・ヤコブ病,kuru,Gerstmann-Sträus-Scheinker症候群,スクレイビーなどには共通に異常なプリオン蛋白が認められることから,これらをプリオン病と呼ぶようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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