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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻12号

1995年11月発行

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トピックス

NO産生能と血圧

著者: 池田宇一1

所属機関: 1自治医科大学循環器内科

ページ範囲:P.1012 - P.1013

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 内皮由来血管弛緩因子(EDRF)の本体が一酸化窒素(nitric oxide;NO)またはNO類似の物質であることが明らかにされて以来,NOについての研究が急速に発展してきた.生理活性物質であるNOの産生は,生体内ではNO合成酵素(NO synthase;NOS)によって行われる.NO合成酵素は,アミノ酸の一種であるL-アルギニンを酸化してL-シトルリンとNOを産生する.現在,NO合成酵素には,脳や脊髄に存在するnNOS,マクロファージや血管平滑筋細胞に存在するiNOS,血管内皮細胞に存在するeNOSの3種類が知られている.
 血管内皮細胞から放出されるNOは血管平滑筋細胞のグアニル酸シクラーゼを活性化し,cGMPを産生させることにより,平滑筋の弛緩を生じる.NOは血管トーヌスの調節機構を介して,高血圧の発症,維持に深く関与している可能性が考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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