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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻13号

1995年12月発行

文献概要

今月の表紙

子宮頸部の悪性腺腫

著者: 都竹正文1 荒井祐司1 坂本穆彦2

所属機関: 1癌研究会附属病院細胞診断部 2東京大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1046 - P.1046

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 子宮頸部発生の腺癌の中に細胞異型が軽度で組織学的悪性基準を十分に満たしているとはいいがたい極めて高分化な腺癌がある.これは悪性腺腫(adenoma malignum)と呼ばれている.腺腫とは名ばかりで,浸潤性腺癌である.悪性腺腫は日常の細胞診業務の中で見落とされやすい(false negative)癌の1つである.したがって,この悪性腫瘍の臨床病理学的な事項を十分理解したうえで診断することが大切である.子宮頸癌取扱い規約の中で「悪性腺腫adenoma malignumとは細胞異型が軽く,形態的には正常からの逸脱の少ない極めて高分化の腺癌とみなされる(minimal deviation adenocarcinoma).その診断には,時に異常核分裂像を認めること,しばしば不規則な外方突出angular outpouchingを示すこと,さらに既存頸管腺領域の深さを明らかにこえた浸潤のあることが根拠となる.」とされている(図a).
 子宮頸部発生の腺癌の組織分類は,a)内頸部型腺癌adenocarcinoma endocervical type, b)類内膜腺癌endometrioid adenocarcinoma, c)明細胞腺癌clear celladenocarcinoma(類中腎腺癌mesonephroid adenocarcinoma),d)腺様嚢胞癌adenoid cystic carcinomaに分けられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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