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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻13号

1995年12月発行

文献概要

マスターしよう検査技術

消毒剤の効果判定

著者: 佐藤智明1

所属機関: 1東海大学病院中央検査部

ページ範囲:P.1067 - P.1072

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はじめに
 消毒薬は感染防止対策のうえで欠くことのできない薬剤であり,臨床微生物検査室に消毒剤の効果判定が依頼されることもしばしばある.しかし,わが国では公的機関による消毒剤の効果判定の標準法はまだ確立されていない.試験法には多くの方法があるが,それぞれに特徴があり,一法ですべての場合についての効果判定が得られるものではないといってもよい.古くからよく使用されてきた方法に石炭酸係数測定法がある.本法は試験菌として腸チフス菌,黄色ブドウ球菌を用い,作用時間が5分で生存,10分で死滅する消毒剤と石炭酸の希釈倍数の比を求めるため,現在,院内感染などで問題となる多くの菌種に対する殺菌効果や,手洗いなどの短時間作用の場合の効果について推定ができないなどの問題がある.
 実際に検査室で実施する場合には,文献に挙げた各種の試験法を参考に,各施設での目的に合った方法を実施すればよいと考える.今回紹介した方法は,当検査室で実施している細菌懸濁試験法である.ほかにフィールド試験として,消毒剤散布や薬液モップでの清掃後のふき取り検査なども実施している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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