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C型肝炎ウイルス(HCV)のセロロジカルゲノタイプ(血清学的遺伝子型)
著者: 太田陽介1 小原道法2
所属機関: 1国際試薬(株)研究開発部研究1課 2(財)東京都臨床医学総合研究所微生物研究部門
ページ範囲:P.1092 - P.1094
文献購入ページに移動HCVは多数の分離株の塩基配列およびそれから推測されるアミノ酸配列の解析より,大きく6つの遺伝子型〔グループ〕に分けられ,グループ内では少なくとも2つ以上のサブタイプ〔亜型〕に分類される1).これまで,HCVの分類と命名法は各研究者により異なっていたが統一されつつある(表1)2).わが国では遺伝子型1HCV(グループ1HCV=G1-HCV)および遺伝子型2HCV(グループ2HCV=G-2HCV)がほとんどを占めている.G1-HCVとG2-HCVにおいては遺伝子構造上で同じフラビウイルス科ではあるが,日本脳炎ウイルスと西ナイル熱病ウイルスのようにウイルス種が異なるほどの大きな違いがあるというウイルス学的な差が見いだされ3),またウイルス蛋白質の発現効率やインターフェロン(IFN)治療中のRNA量の減少速度に大きな差があるなどの生物学的性質も異なっていることが示唆されている4).
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