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脳波による脳機能局在解析
著者: 中島祥夫1
所属機関: 1千葉大学医学部生理学第一講座
ページ範囲:P.159 - P.160
文献購入ページに移動 脳機能はニューロンの脱分極(興奮)の結果生じるといえる.ニューロンが脱分極すると電流が発生する.電流が流れれば磁場が発生する.1個のニューロンの脱分極で発生する電流は微小であるが,多数のニューロンがほぼ同時に脱分極するとそれに対応して観測しうる程度の電位(脳波:EEG)と磁場(脳磁図:MEG)が発生する.興奮しているニューロン群が局在している場合にはそれらの電気的な活動を等価的に電流双極子で近似できる.そこで頭皮上の電位分布や磁場分布からこの等価的な双極子の位置と強度を推定し,電位発生源を求める方法が開発されてきた.この方法を一般に逆問題解析というが,ここでは焦点をEEGに絞って述べる.
一般に生体電位の逆問題を解くには,生体のモデルを必要とし複雑な計算を行う.そのためEEGの逆問題解析の多くは頭部を単層あるいは三層の球モデルとして扱い,解析的に電位発生源を求めてきた1).しかし,球で近似したモデルで推定された電源の位置を解剖学的に脳内に対応させることはできない.
一般に生体電位の逆問題を解くには,生体のモデルを必要とし複雑な計算を行う.そのためEEGの逆問題解析の多くは頭部を単層あるいは三層の球モデルとして扱い,解析的に電位発生源を求めてきた1).しかし,球で近似したモデルで推定された電源の位置を解剖学的に脳内に対応させることはできない.
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