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尿中成分定量値に対する各種補正方法の特徴と限界
著者: 青木哲雄1
所属機関: 1常滑市民病院検査科
ページ範囲:P.160 - P.162
文献購入ページに移動 尿は腎・尿路系疾患のみならず,全身状態についての情報をもたらし,しかも非観血的に,簡易に採取できることから格好の被検試料である.しかし,排泄物である尿は,尿量,それに含まれる成分の変動幅が大きいため,たくさんの情報源がみえていながら診療に活用しきれていない面がある.このため尿中成分定量値はその有用性を高めるために24時間尿(全尿)を対象にし,1日当たりの総排泄量で表すのが一般的である.ところが24時間尿を被検試料とする場合には多くの難題がある1).そこで,簡易に,新鮮な状態で採取できる部分尿を対象に,尿中成分を定量し,この場合に最も問題になる尿量誤差に対して補正を行う方法が試みられている2).
尿量誤差の補正は,尿の希釈率あるいは濃縮率を把握し,その係数を,目的とする尿中成分の定量値に乗じてこれを修正する方法であり,クレアチニン補正が広く行われているが,このごろでは腎の濃縮機能検査である比重,浸透圧による補正方法も注目されている.すなわち,この補正は,同時測定したクレアチニン濃度,比重あるいは浸透圧を一定の基準値に見立てて,目的とする尿中成分をそれらに対する相対量で表現するものである.
尿量誤差の補正は,尿の希釈率あるいは濃縮率を把握し,その係数を,目的とする尿中成分の定量値に乗じてこれを修正する方法であり,クレアチニン補正が広く行われているが,このごろでは腎の濃縮機能検査である比重,浸透圧による補正方法も注目されている.すなわち,この補正は,同時測定したクレアチニン濃度,比重あるいは浸透圧を一定の基準値に見立てて,目的とする尿中成分をそれらに対する相対量で表現するものである.
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