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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻3号

1995年03月発行

文献概要

検査ファイル

ケント束

著者: 増渕雄1 長沢正樹1 星野和男1 甘利俊哉1

所属機関: 1JA長野厚生連篠ノ井総合病院内科

ページ範囲:P.228 - P.228

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 心臓の刺激伝導系には現在までに正常房室伝導路の全部または一部をバイパスする種々の副伝導路が報告されている.副伝導路としてはケント束(bundle of Kent),Mahaim線維,James束,心房-His束路などがあり,早期興奮症候群,心室変行伝導,dual AV conductionなどの成因に関与すると考えられている.解剖学的に副伝導路が証明されても,必ずしもそれが刺激伝導機能を有するとは限らないことに留意すべきである.
 ケント束は,1893年にKentが初めて記載した副伝導路で右心側面で右房と右室とを連絡する長さ0.9mm,幅0.25mmの筋束で,外見上作業心筋によく似ている.現在では心房と心室とを直接連絡する副伝導路は左心側または中隔にあっても通常,ケント束と呼ばれている.ケント束が機能すればWPW型QRS波がみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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