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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻5号

1995年04月発行

文献概要

話題

エコードプラ造影剤

著者: 竹中克1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.42 - P.42

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 心エコー図では,心筋や弁などの構造物は白く,血液の流れている心腔や血管内は黒く描出される.僧帽弁狭窄症例の左房腔内でみられるように,血流うっ滞がある場合には,非常に多数の微小エコーからなり煙のように絶えずゆっくりと血流に乗って渦を巻く境界不明な不定形エコー,すなわちモヤモヤエコーがみられることがある.しかし,このような例外を除いて,心エコー図のみでは,血液の流れている様子はわからない.
 Gramiakらは,心カテーテル検査時に生理食塩水を注入すると心腔内に雲状のエコーがみられることを1969年に報告し,コントラストエコーと命名した.その後の研究により,このコントラストエコーの実体は微小気泡であることが判明した.1970年代には,2本の注射器を三方活栓で連結し,その間を生理食塩水を行き来させ攪拌することにより,微小気泡を作製し,末梢静脈から急速注入し,右心系のコントラストエコーを得た.心腔内の血流が可視化されるということで,コントラストエコー法は,三尖弁逆流や短絡疾患の診断に盛んに応用されたが,1980年代にカラードプラが発明され,注射なしで心腔内の血流の可視化が達成され,本法は急速にすたれていった.これと交代するように注目されてきたのが,大動脈あるいは冠動脈内注入による左室の心筋コントラストエコーである.例えば,梗塞により死亡した心筋はコントラストにより染影されないが,正常の心筋は染影される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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