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CTの造影剤
著者: 小久保宇1
所属機関: 1虎の門病院放射線診断学科
ページ範囲:P.181 - P.181
文献購入ページに移動最もしばしば用いられるものは水溶性有機ヨード化合物である.陽性造影剤であり,単に造影剤というと,これを指していることが多い.排泄性尿路造影や血管造影に使用されるのと同じものである.最近では低浸透圧の非イオン性造影剤が広く用いられており,悪心,嘔吐,熱感などの副作用が減少した.静脈内に投与された造影剤は,肺循環を経由した後に大動脈内に入り,血液の流れとともに全身に分布する.血液・脳関門があって造影剤の移行の妨げられる中枢神経系を除くと,毛細血管に達した造影剤は速やかに血管外の間質腔に移行し,血管内の濃度と平衡に達する.造影剤は細胞内には入らない.いったん平衡に達した後は,血管内の造影剤が腎から排泄されるに伴って,間質腔から血管内に緩やかに移行する.
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