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画像でみる生体情報・6
整形外科領域での画像診断—神経・筋疾患を中心に
著者: 本村喜代二12
所属機関: 1東京大学先端科学技術研究センター 2七里病院整形外科
ページ範囲:P.495 - P.499
文献購入ページに移動筋肉や神経,関節の画像を理解解析するには,解剖学的知識がしっかりとしていなければできないことは当然である.画像診断とは,健康な人間の解剖を基準として,その変異度からパターン認識を行うものである.したがって,統計学的な数値評価は行えないにしても,基本的には,正常パターンからの偏位を認識するという点では同一である.解剖は2次元ではなく,3次元であることを念頭に,常に解剖書をひもとく学究欲がなければ,患者が提供してくれた画像は,単なる2次元写真という産物にすぎなくなる.
また,画像診断はあくまでも補助診断の1つであるということも,銘記しなければならない.臨床症状と画像診断が一致している場合は問題ないが,一致しない場合は常に画像診断を優先することなく,患者の臨床症状をもう一度再確認して,症状の見落としがないか再検討すべきである.決して,患者の臨床症状を画像診断に合わせようとしてはならない.
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