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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻7号

1995年06月発行

文献概要

検査ファイル

ラテックス凝集法による血中ミオグロビンの測定法

著者: 関根盛1

所属機関: 1デンカ生研(株)

ページ範囲:P.514 - P.514

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 ミオグロビン(Mb)は骨格筋,心筋内での酸素の運搬を行うヘム蛋白で,ヘモグロビンと同様に酸素を可逆的に結合する酸素の貯蔵体である.Mbは153個のアミノ酸からなる分子量17.2kDaの単量体の比較的低分子の蛋白質である.Mbは筋組織細胞の崩壊,炎症などで細胞膜の透過性が亢進しているときには細胞外に逸脱し血中に流出し,さらに尿中にも排泄される.そのため,血中や尿中のMbの測定は筋疾患や心筋疾患の診断,病態把握,予後の判定などにその有用性が認められてきた.特に急性心筋梗塞においては,クレアチニンキナーゼ(CK)やCK-MBアイソザイムなどの他の心筋梗塞マーカーよりも先行して血中にMbが流出するため,急性心筋梗塞の早期診断や経過観察に有効なマーカーとして知られている.
 最近,急性心筋梗塞に線溶療法や経皮的冠動脈形成術(PTCA)などの再疎通療法が積極的に行われ,大きな成果を上げている.さらに,組織プラスミノゲンアクチベーター(tissue plasminogen activator;tPA)やプロウロキナーゼ(pro-urokinase;pro-UK)などの新しい薬剤の開発により,血栓溶解剤の全身投与が今後の再疎通療法の中心になる可能性も考えられる.再疎通療法の目的はサルベージであるが,発症6時間以内のいわゆるgolden timeを過ぎると,再疎通してもその効果は極めて小さい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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