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遺伝子治療用ベクター
著者: 池田浩司1 吉田純1
所属機関: 1名古屋大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.516 - P.517
文献購入ページに移動このうち,レトロウイルスベクターとは,成人T細胞性白血病ウイルスに代表されるレトロウイルスを改良したものであり,分裂細胞に感染すると,それ自身の持つ逆転写酵素によって自身の遺伝子を細胞の染色体中に組み込むことができるため,持続的な遺伝子発現が可能である.また,安全性においても今のところ,他のウイルスベクターと比較して勝っており,現在遺伝子治療用ベクターの中では主流を占めている.しかしその欠点として,非増殖細胞への遺伝子導入が不可能なことや,遺伝子の発現効率が低いことなどが挙げられ,その欠点を補うため,他のウイルスベクターの開発が進められている.
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