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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻9号

1995年08月発行

文献概要

検査ファイル

B細胞の活性化

著者: 眞弓光文1

所属機関: 1京都大学医学部小児科

ページ範囲:P.721 - P.721

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 B細胞の活性化とは,休止状態にあるB細胞を,刺激に対して反応して細胞増殖や抗体産生細胞への分化を起こし得るような状態にさせることである.B細胞は骨髄の造血幹細胞より分化し,pro B細胞(免疫グロブリン遺伝子の再構築はみられるが,細胞表面にいまだ免疫グロブリンを発現していない細胞),pre B細胞(細胞質内に免疫グロブリン重鎖の1つであるμ鎖のみを発現している細胞および表面にμ鎖とVpeB/λ5と呼ばれる分子の複合体を発現している細胞)を経て,表面にμ鎖と免疫グロブリン軽鎖(κまたはλ鎖)の複合体(μ2κ2またはμ2λ2)からなる免疫グロブリンM(IgM)を発現するようになったリンパ球である.表面免疫グロブリンは特異的な抗原刺激を受け取るレセプターとして機能する.このような未熟B細胞はやがて表面にIgMと同じ抗原に特異的に反応するIgDも発現して,成熟B細胞(表面IgM,IgD陽性B細胞)に至る.表面免疫グロブリンや他の分化抗原(分化の段階に応じて出現する分子)を蛍光抗体法により染色することなどで,上述のB細胞とその分化段階を同定できる.
 休止状態の成熟B細胞は抗原による表面IgMの架橋やマイトジェンの刺激により活性化され,増殖・分化に必要な刺激を受け取るためのレセプターの発現量を増したり,新たに発現したりする.また,抗原をHLA分子とともに提示して(抗原提示細胞として働いて),T細胞に抗原刺激を与える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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