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文献詳細

雑誌文献

検査と技術23巻9号

1995年08月発行

文献概要

トピックス

中間径フィラメントの免疫組織化学の意義

著者: 広瀬隆則1

所属機関: 1徳島大学医学部病理学第一講座

ページ範囲:P.735 - P.736

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 細胞を電子顕微鏡で観察するとミトコンドリア,粗面小胞体,ゴルジ装置などの小器官とともに線維状の構造物が見いだされる.これは細胞骨格(cytoskeleton)と総称され,細胞の形や他の小器官の配置を決める以外に,細胞の運動,分裂,物質の移動,細胞同士の接着などの重要な機能にも関与することが知られている1)
 細胞骨格は直径と構造上の違いから微小管(microtubule),マイクロフィラメント(microfilament),中間径フィラメント(intermediate filament)に大別される.微小管は平均25nmの直径を有する管状構造で,マイクロフィラメントは6〜8nm径の微細な線維束として観察される.この2つの中間の直径(約10nm)を示すのが,中間径フィラメントである.電顕的に区別することは難しいが,中間径フィラメントは生化学的構造の違いから,(サイト)ケラチン(cytokeratin),ビメンチン(vimentin),デスミン(desmin),GFAP(glial fibrillary acidic protein),ニューロフィラメント(neurofilament:NF)の5種類に分類され,それぞれがある程度固有の組織,細胞に分布することが知られている.ケラチンは,分子量40〜70キロダルトン(kDa)にわたる少なくとも19種類のサブタイプからなり,主に扁平上皮や腺組織の上皮細胞に局在している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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