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技術講座 一般
便ヘモグロビン検査の精度管理
著者: 宿谷賢一1 下村美恵2 大用義裕3
所属機関: 1杏林大学病院中央臨床検査部 2三井記念病院中央検査部 3東京医科大学病院中央検査部
ページ範囲:P.43 - P.48
文献購入ページに移動便潜血検査は,近年,ヒトヘモグロビンに対する免疫学的方法が開発され,さらに自動分析装置の応用で精密測定による数量化が可能となった.便潜血定性検査が数量化に変わりつつある現在,軽視されがちであった精度管理も重要視されてきた.
精度管理には内部精度管理と外部精度管理がある.一般的方法としては,コントロール試料による管理,患者検体による陽性率と陰性率,関連項目検査のチェック,クロスチェックなどがある.便潜血検査において,施設内で行われる内部精度管理は自家製コントロールにより行われているものの,外部精度管理は行われていないのが現状である.しかしながら,便潜血検査においても他の臨床検査と同様に精度管理が必要不可欠であり,精度管理の実施は施設内変動と施設間差の是正に効果的である.近年,便潜血検査専用の市販コントロール製品が開発され,長期間にわたり安定した内部精度管理と広域の外部精度管理が可能となった.
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