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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻1号

1996年01月発行

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トピックス

major bcrとminor bcr

著者: 西村純二1

所属機関: 1九州大学医学部第三内科

ページ範囲:P.80 - P.82

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 フィラデルフィア(Ph)染色体は慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CMI)の特異的マーカーであるが,一部の急性リンパ性白血病(acutelymphocytic leukemia;ALL)にも存在する1,2).Ph染色体とは,9番染色体長腕q34と22番染色体長腕q11の相互転座t(9;22)(q34;q11)の結果生じる長腕が短縮した22番染色体(22q-)のことをいう.この転座にはbCrとablと2つの遺伝子が関与している(図).9番染色体q34にはAbelsonマウス白血病ウイルスに存在するチロシンキナーゼ型癌遺伝子v-ablと相同性を有するab1遺伝子が存在し,転座に伴い22番染色体に多動する.切断点はab1遺伝子の5’側にあるエクソン1bの上流,エクソン1bとlaの間あるいはエクソン1aの下流に存在する.22番染色体上の遺伝子の切断は,CMLではb1からb5と名付けられた5つのエクソンを含む5.8kbの非常に短い遺伝子の領域で起こるため,当初この部位を切断点が集中している領域という意味でbreakpoint clusterregion(bcr)と呼んだ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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