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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻10号

1996年09月発行

文献概要

トピックス

血糖動態の指標としてのグリコヘモグロビン

著者: 星野忠夫1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部薬化学研究所

ページ範囲:P.865 - P.867

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■糖類の蛋白質への結合とグリコヘモグロビンの生成反応
 メイラード(Maillard)反応は,身の回りで観察される食品などの褐変現象を説明する反応として古くから知られている.この反応は,初期段階では非酵素的反応によりグリコシドを生成し,中・後期段階ではその酸化と重合反応の繰り返しにより発蛍光物質や不溶性物質などadvanced glycated endoproducts(AGEs)と呼ばれる種々の物質を生成する.反応初期段階のグリコシド生成反応では,還元糖のアノメリック炭素と蛋白性物質の遊離アミノ基との速やかな非酵素的平衡反応によりシッフ塩基(アルジミン体,aldimine)が生成され,引き続く緩やかなアマドリ(Amadomi)転換によりケトアミン(ketoamine)体が生成される.
 血糖変動の指標としての興味の対象であるグリコヘモグロビン(glycated hemoglobin;GHb)は,生体内でのメイラード反応によるグルコースのヘモグロビンへの結合により生成される.グルコースは,1-deoxyglucoseの形でヘモグロビンのアミノ基の窒素と速やかに結合し,不安定型グリコヘモグロビン(labile glycated hemoglobin;L-GHb)を生成し,アマドリ転位により1-deoxyfructoseに形を変え,安定型グリコヘモグロビン(stable glycated hemoglobin;St-GHb)となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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