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滑膜肉腫の染色体異常と分子生物学
著者: 吉田春彦1 長尾勝人2 井藤久雄2
所属機関: 1鳥取大学医療技術短期大学部衛生技術学科病理 2鳥取大学医学部病理学第1講座
ページ範囲:P.867 - P.868
文献購入ページに移動ヒト肉腫は中胚葉の間葉組織に起原を有する悪性腫瘍である.発生頻度は低いが,体のどこにでも生じ,また低年齢層から高年齢層のどの年代にも発生する.臨床病理学的には発生部位と年齢により,肉腫の種類が異なることが知られている.組織学的には,肉腫は母組織との類似性によって分類・整理され,それぞれの腫瘍グループで組織亜型が区別されている.その理由は,肉腫の種類,亜型によって悪性度,予後が異なり,治療(手術)の方法が異なってくるからである.したがって,肉腫の診断には迅速性と正確性が病理医に求められ,日常の組織検査のほかに電子顕微鏡による検査,酵素抗体法による免疫染色が補助診断法として利用されてきた.
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