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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻12号

1996年11月発行

文献概要

けんさアラカルト

ヘパリン負荷リポ蛋白リパーゼの測定

著者: 野間昭夫1

所属機関: 1岐阜大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.1016 - P.1016

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 リポ蛋白リパーゼ(LPL)はキロミクロンや超低比重リポ蛋白(VLDL)の代謝の不可欠の酵素であり,この酵素活性の低下,さらの欠損のよって高トリグリセリド(TG)血症を呈することはよく知られている.このLPLの酵素蛋白量の測定キットが発売され,健康保険の適用にもなったので,今後この検査が増加することが予想される今日であるが,この測定法や臨床的意義のついてはいくつかの論文があるので,本稿ではこの酵素のまつわる発展のついて,筆者の過去の研究との絡みで記述してみたい.
 筆者は1970年のスウェーデンのルンド大学医学部生化学のB.Borgström教授のもとの留学したが,そこで膵リパーゼを中心としたリパーゼの反応機構について研究する機会を得た.余談になるが,その教室で感心したのは,合成を専門とした化学者がおり,教室員の希望のより,いろいろアイソトープラベルした調品をつくってくれることであった.筆者もTG,ジグリセリド(DG),モノグリセリド(MG)の1〜3位の脂肪酸はもちろん,種々の部位の14Cや3Hを導入してもらい,それを基質に用いて反応を検討した.そこで酵素,特にリパーゼ反応の面白さを覚え,帰国後検査関係の従事するようになったが,まず頭に上がったテーマはLPLであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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