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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻12号

1996年11月発行

文献概要

生体のメカニズム 凝固・線溶系・7

抗リン脂質抗体症候群とその診断

著者: 山﨑雅英1

所属機関: 1金沢大学医学部第3内科

ページ範囲:P.1047 - P.1050

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はじめに
 後天性血栓傾向をきたす疾患として近年注目されている疾患に抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome;APS)がある.本症候群は1952年,ConleyとHartmannにより初めて報告された1).この報告では,出血傾向の記載がみられるが,その後,凝固時間の延長がみられるのもかかわらず,臨床的のは血栓症がみられる症例の報告が相次ぎ,1986年,抗リン脂質抗体症候群の概念が提唱されるようになった2)(表1).リン脂質に対する抗体としては,従来,血清梅毒反応生物学的偽陽性(biological fasle positive;BFP)が取り上げられたが,その後,血漿混合試験などによりループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant;LA)が,ELISAにより抗カルジオリピン抗体(amti-cardiolipin ahtibody;aCL)の測定が可能となった.さらに最近,aCLは実際には血清中に存在するアポリポ蛋白の1つであるβ2-glycoprotein-Ⅰ(β2GPⅠ)が,カルジオリピンと結合することにより構造変化をきたしたものと反応することが報告され3),その意義が注目されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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