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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻12号

1996年11月発行

文献概要

検査データを考える

リウマトイド因子とその読みかた

著者: 速見尚1 吉野谷定美2

所属機関: 1南大和病院検査部 2南大和病院

ページ範囲:P.1051 - P.1055

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はじめに
 リウマチ性疾患という言葉のは,関節疾患を指す場合と,膠原病を指す場合とがあるようである.17〜18世紀のは,英語の“rheumatism”は“痛み”と“うずき”を伴う病気に対する総称であったと,19世紀初期のWilliam Heberdenは述べている.20世紀になってからリウマチ性疾患は“膠原病”,“結合織病”,“自己免疫病”からなることが解明されてきた.痛風や骨関節症のように明らかな代謝性疾患も含まれている.なかでも,免疫異常を伴う疾患が人々の注目を集め,特に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)や,進行性全身性硬化症(progressive systemic sclerosis;PSS)などでその病因を説明する理論が成功を収めた.
 しかし,慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA),ベーチェット(Behcet)病などまだ免疫異常だけでは説明がつかない疾患のあることも事実である.まずいかなる免疫異常であろうとも,痛風や骨関節症には現れることはないと断言できる.免疫異常をみた場合,疾患に特徴的な異常はそれだけで診断が確定する.共通の免疫異常しかない場合は,炎症マーカーと呼ばれる検査や臓器障害をとらえる検査を参考にして,ある程度診断を方向づけることができる.このような観点から本稿をまとめてみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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