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新しい院内感染症(クリプトスポリジウム)
著者: 巽典之1 井関基弘2 樋口智子1
所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学 2大阪市立大学医学部医動物学
ページ範囲:P.1106 - P.1106
文献購入ページに移動一方,新顔の下痢性原虫症として最近注目されているのはクリプトスポリジウム症である(図d).これにいったん感染すると有効な治療薬がなく,下痢便に莫大な数のオーシストが排出され,オーシストは消毒液にも強いので院内感染も起こりやすい.糞便に直接手を触れないようにして加熱するか焼却するしか殺滅法がないという厄介者である.健常人なら感染後に抗体が産生されて1〜2週間で自然治癒するが,エイズや癌などの免疫不全患者では腸壁刷子縁に寄生する原虫(図c)が激しく増殖し,難治性下痢が進行する.
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