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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻2号

1996年02月発行

マスターしよう検査技術

目で見る1人で行う心肺蘇生法

著者: 河村剛史1

所属機関: 1兵庫県立姫路循環器病センター・救命救急センター

ページ範囲:P.147 - P.153

文献概要

 日本人は安全な島国国家で生命の危険をまったく意識せずに生活している世界的に恵まれた国民である.逆にこのことは他人の生命の危機を感じない,むしろ無関心ともいうべき社会が存在している.心肺蘇生法(cardiopulmonary resuscitation;CP R)は生命の危機を真っ先に念頭に置いて行動する訓練法であり,“他人の生命を守ることが自分の生命を守ることになる”という今までに日本にはなかった新しい社会理念の啓蒙活動である.兵庫県では,1990年度から5か年計画で県民運動“命を大切に,あなたも心肺蘇生法を”の普及を540万人県民のうち,lOO万人を目標に取り組み,1995年3月末までに108万人の講習を達成できた.この県民運動は,単に救命率を上げるためだけにあるのではなく,“目の前で突然,愛する人が倒れたならば,あなたは何ができますか”の問いかけであった.日本人に欠如している危機管理意識を醸成するには,家族愛を通してお互いの生命を意識させることが最後の手段と考えていたからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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