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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻2号

1996年02月発行

文献概要

トピックス

伝染病・食中毒患者の届け出

著者: 相楽裕子1

所属機関: 1横浜市立市民病院感染症部

ページ範囲:P.168 - P.169

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はじめに
 わが国で現在みられる法定伝染病は細菌性およびアメーバ性赤痢,コレラ,腸チフス・パラチフスなどの消化器系感染症が主なものであり,その他の伝染病はごくまれである.しかも,細菌性赤痢やコレラは一般的に症状が軽いものが多く,発熱,腹痛,血便,テネスムスがみられる赤痢,米のとぎ汁様の大量の水様便やコレラ様顔貌がみられるコレラなどは少ない.それに比べて細菌性食中毒は生活様式や流通機構の変化もあって制圧されたとはいいがたく,特徴的な症状がみられるボツリヌス中毒を除いて消化器系伝染病と細菌性食中毒は症状からの鑑別は困難なことが多い.頻度からいえばほとんどが食中毒型胃腸炎と考えてよいが,途上国からの帰国者の場合は伝染病の可能性が高い.アメーバ赤痢は糞便の直接鏡検によって即時診断可能であるが,糞便培養では診断までに早くても2日はかかるので,どの時点で法定伝染病あるいは食中毒の届け出を行えばよいか判断に迷うことも多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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