icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻2号

1996年02月発行

トピックス

リコンビナントヘモグロビン

著者: 関口定美1 小林由希1

所属機関: 1北海道赤十字血液センター

ページ範囲:P.172 - P.174

文献概要

はじめに
 ヘモグロビンを利用した人工酸素運搬体開発の意義は,血液型に関係なく輸注できることから緊急輸血に応用でき,ウイルス感染,同種抗原感作などの輸血副作用を回避できることである.しかし,ヒトヘモグロビンを利用する場合はヘモグロビンの精製過程で酸素親和性を制御するアロステリック因子である2,3-ジホスホグリセレート(2,3-diphosphoglycerate;2,3-DPG)が失われて酸素親和性が高くなり,末梢組織で酸素を放出できなくなること,またそのまま静注するとヘモグロビン4量体は容易に2量体に解離し,腎糸球体から排泄され血中半減期は極めて短くなる.このため,ヘモグロビンを人工酸素運搬体として使用するには酸素親和性の制御と血中滞留時間延長の解決が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら