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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻4号

1996年04月発行

文献概要

検査データを考える

感染症と白血球

著者: 柏村眞1 染谷貴美枝2

所属機関: 1松戸市立病院内科 2松戸市立病院検査科

ページ範囲:P.367 - P.371

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はじめに
 白血球は細菌・真菌・原虫・寄生虫・ウイルスなどの微生物の侵入から身体を守る働き(生体防御)を担った細胞群である.さらに白血球は体内に出現する悪性腫瘍を撲滅させ生体を守る働きを持つ.白血球は顆粒球(好中球・好塩基球・好酸球)と単球,リンパ球(B細胞・T細胞)から構成されている.好中球は細菌や真菌から生体を守り,好酸球は寄生虫から生体を守る.単球は組織に入り大食細胞(マクロファージ)となり,初期感染への対応に当たる.好中球と大食細胞は微生物を貪食することで生体を守る.これらによる貪食は菌種を限定することなく非特異的である.一方,リンパ球は異物の特異性を認識・記憶することができる.リンパ球のうちB細胞は抗体を作り液性免疫として,T細胞は細胞性免疫として免疫の調節や細胞障害性を担う.
 これらの白血球は微生物の種類や感染後の時期によって,それぞれの役割を担っており,また互いに緊密に協力しあって,微生物による感染から生体を守っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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