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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻5号

1996年05月発行

文献概要

今月の表紙

血液細胞と収縮蛋白

著者: 巽典之1 田窪孝行1 津田泉2

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学 2大阪市立大学医学部教室

ページ範囲:P.426 - P.426

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 これまで血液検査新技術と血液細胞の動きにかかわってシリーズを重ねてきましたのでもう少し私のわがままを重ねさせていただきたいと思います.
 血液細胞の中で最も動きの大きいのは好中球です.この細胞は化学刺激を受けると,その刺激源へと走っていき,オプソナイズされたものならこれを貪食・顆粒放出し,取り込んだ異物を消化すると同時にアポトーシスが誘導され,自己死へとばく進して行きます.そこではファゴゾーム→ファゴリソソームが形成されます.すなわち粘着・運動・異物補足・貪食・消化・排泄が連鎖的に行われます.血小板においても刺激を受けると粘着・凝集・顆粒放出のチェーン・リアクションが生じます.結果として前者では殺菌作用,後者では血栓形成作用が遂行されますが,その影武者として激しい動きを示すのは細胞内収縮蛋白であるアクチンとミオシンです.骨格筋においては,ミオシンで形成される太い縞とアクチンで形成される細い縞帯が相互に滑走することで収縮が完成されると説明したHuxleyの写真は有名ですが,血球など遊離細胞の場合,光顕では細胞質内アクチン・ミオシン線維はさっぱりみえてきません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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