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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻5号

1996年05月発行

文献概要

生体のメカニズム 凝固・線溶系・1

凝固機序

著者: 高橋芳右1

所属機関: 1新潟大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.463 - P.465

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はじめに
 生体には出血を起こさず,また血管になんらかの破綻あるいは異常が起こった場合に生ずる出血を止める機構が存在する.この止血機構には,血管,血小板,血液凝固,線溶,凝固線溶阻止因子,血行力学的要因,血管周囲の結合織が密接に関与し,通常互いによくバランスを保っている.また全身の血管壁は抗血栓性を有する血管内皮細胞で覆われており,血液は凝固することなく循環できる.
 血管壁が損傷を受けると,血管の収縮反応とともに,傷害部位に血小板が粘着・凝集し,血小板血栓を形成する.この初期の反応を一次止血と呼ぶ.血小板血栓の周りをしっかりとしたフィブリン血栓で覆い,止血栓として完成させるのが二次止血反応で,この二次止血には血液凝固系が働き,凝固因子が連続的かつ増幅的なカスケード反応機構により活性化されて生じたトロンビンによってフィブリンが生成される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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