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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻5号

1996年05月発行

トピックス

光測定による骨粗鬆症診断の可能性

著者: 竹内晃1 板橋明1 荒木隆一郎2

所属機関: 1埼玉医科大学中央検査部 2埼玉医科大学衛生学

ページ範囲:P.471 - P.473

文献概要

はじめに
 近年,人口の高齢化,QOLの重視などの点から骨粗霧症に対する意識が高まっている.
 この傾向は新しい治療薬の開発などにより,さらに顕著になると予想され,今後,骨組織の非侵襲的な測定法の役割は大きくなると思われる.現在,従来の単純X線写真での形態評価に加えて,DXA(dualenergy X-ray absorptiometry)法による骨塩〔骨カルシウム(Ca)密度〕定量法は,骨強度の重要な評価法となっている.また,超音波による踵骨測定法は,その簡便さから1次スクリーニングに最適である.しかし,DXA法はX線のCaに対する吸収特性を利用しているため,得られる情報は2次元的な透過吸収像であり,立体構造の評価には不向きである.超音波法は,骨組織中の伝導速度がCa含量,減衰は構造に左右されるとされ,今後を期待されているが,現時点では簡易なDXA法といった印象が強い.骨組織は複雑な構造体であり,Ca密度以外に,外力に対する支持構造も重要な強度規定因子となる.また,近年はコラーゲン,骨髄内の状態など骨密度以外の因子(骨質)の重要性が問われており,新たな測定法の開発が期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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