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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻6号

1996年06月発行

文献概要

オピニオン

野茂投手のアメリカンドリームに想う

著者: 能勢義介1

所属機関: 1兵庫県赤十字血液センター

ページ範囲:P.498 - P.498

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 外国へ行ったのは23年前,台北市の台湾大学医学部へ協同研究の打ち合わせで海外出張したのが最初であった.約1週間の滞在であったが異国での仕事への興味と,その土地での文化に触れたときは大きな驚きとともに,強烈な感動があった.特に小生の体験では若ければ若いほど,新鮮で感受性が強く,その後の人生に大きな影響を与えたように思う.1年後アメリカのノースカロライナ州にあるデューク大学の免疫学教室に4か月の短期間であったが,免疫学の研修を受ける機会を得た.
 日本は一度就職すると定年までの永久雇用制と年功序列制で特に学歴社会が幅をきかせているが,アメリカでは個人との契約社会で,個人の能力,実績が最も重要で,性別,年齢,肩書き(身分,地位,学歴)などは無縁の実力社会である.裏を返せば努力すればするほど報われる社会でもある.小生もこの期間中,世界中の研修仲間から実績が認められたことにより当初の2倍の給料が与えられた.そういった日本の学歴社会と異なる自由奔放な,いわゆるアメリカンドリームといわれる土壌がこの国にあったのである(最近ではドジャースの野茂投手が良い例).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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