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文献詳細

雑誌文献

検査と技術24巻6号

1996年06月発行

文献概要

トピックス

body mass indexの基準値

著者: 矢内充1 河野均也1

所属機関: 1日本大学医学部臨床病理科

ページ範囲:P.535 - P.536

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■肥満の判定とbody mass index
 肥満とは,脂肪細胞の増加または肥大すなわち脂肪組織の増加した状態,と定義されている.肥満により心疾患,高血圧,高脂血症,糖尿病などのいわゆる成人病の発症頻度が高くなることが知られている.肥満の評価や栄養状態の評価には,本来,体脂肪量の実測が最も正確な方法であるが,現在のところまだ比較的簡単に測定できるものはみられない.そのため,身長や体重などから算出される種々の指数が用いられており,中でもbody mass index(BMI,体格指数と訳される)は,現在最も広く受け入れられ,使用されているものの1つである1).BMIは体重(BW,kg)と身長(H,m)を用いて,BMI=BW/H2という単純な式で求めることができるが,身長との相関性は低く,すなわち身長によらず一定の基準値で比較可能である点および体脂肪量とよく相関する点で他の指数より優れているといわれている.
 NIHの報告2)によれば,BMIが男性では27.8kg/m2,女性では27.3kg/m2以上で高血圧や高コレステロール血症のリスクが2倍から3倍程度増加することが示されており,肥満に対する警告は,より確かなものとなってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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